未経験からアウトドアガイドになる方法|北海道で自然を仕事にするための完全ロードマップ

ガイド業の裏側

「北海道の自然の中で働きたい」「アウトドアを仕事にしたい」──そんな夢を抱く人は多いと思います。
僕自身、大学時代にアウトドアにのめり込み、今は北海道・美深町でカヌーやボートフィッシングを案内するリバーガイドとして主に活動しています。

ただ、最初に伝えておくと、僕のキャリアはかなり特殊です。ガイド会社に勤めたことはなく、地域おこし協力隊での夏休みの子ども自然体験キャンプの企画や、先輩ガイドのカヌーツアーサポートを通じて経験を積み重ねてきたという少しイレギュラーな道を歩んできました。

この記事では、僕の体験談を交えながら、「未経験からアウトドアガイドを目指す人のための最短ルート」を詳しく紹介します。


1. アウトドアガイドとは?仕事内容を知ろう

「アウトドアガイド」といっても、そのジャンルは幅広いです。

  • カヌー・カヤックガイド
  • ラフティングガイド
  • トレッキング・登山ガイド
  • フィッシングガイド
  • スノーシューツアー・バックカントリースキーガイド

分野によって必要な技術や装備は異なりますが、共通して求められるのは「自然を安全に楽しむための知識とスキル」です。
お客様の安全を守りながら、最高の体験を提供することがガイドの本質です。


2. 僕のちょっと特殊なキャリア

僕は愛知県生まれで、大学進学をきっかけに北海道へ。小学生のころから川釣りばかりしていたこともあり、自然の中で過ごすことが好きでした。進学したのは北海道教育大学岩見沢校アウトドアライフ専攻という世にも奇妙なところ。大学時代はカヌーやテレマークスキーなどアウトドア活動に没頭。

大学卒業後は、美深町の地域スポーツクラブ職員として勤務し、夏休みの自然体験キャンプや子ども向けのアウトドアイベントを主催しました。この経験がきっかけで「もっと自然を舞台にした仕事がしたい」と思うようになりました。

そこから、北海道アウトドアガイド資格(ジュニアカヌーガイド)を取得し、町内で活動する先輩ガイドのサポート業務に参加。ここで現場経験を積みました。

その後、福島県南会津の森林組合で山仕事を経験しましたが、怪我をきっかけに美深町へ戻り、フリーターのような生活を経て、個人事業主としてカヌーガイド・ボートツアーを開始しました。2年目にはドリフトボートガイドも始め、今に至ります。

こう書くと順調に見えますが、僕はガイド会社に勤めたことがないため、このルートは再現性が高いとは言えません。もし今からガイドを目指すのであれば、より安全で効率的な方法をおすすめします。


3. 未経験からアウトドアガイドになる3ステップ

ステップ①:まずはガイド会社で経験を積む

最初の一歩としておすすめなのは、ガイド会社に入って給料をもらいながら現場経験を積むことです。

例えば、ラフティングやカヌーガイドの会社では、以下のようなことを学べます:

  • ツアーの運行・安全管理方法
  • レスキュー技術
  • お客さんへの接客・説明スキル
  • 障害保険やツアー保険の扱い

僕は先輩ガイドのサポートからスタートしましたが、最初から会社に入って学ぶほうが効率的です。

ステップ②:必要な資格を取得する

資格は必須ではありませんが、お客さんの安全を守る責任を持つ以上、取得しておくと強みになります

  • 北海道アウトドアガイド資格(カヌー・登山・ラフティングなど)
  • 2級小型船舶免許(ボートツアーや釣りガイド向け)
  • メディックファーストエイド・チャイルドケア+(子ども向け対応)
  • 上級救命講習(事故時の救命対応)

ステップ③:独立を視野に入れた準備

ガイド会社で経験を積んだら、次は独立を見据えた準備です。目安は3〜5年程度。

  • 独自ツアーの企画・開発
  • ホームページやSNSで情報発信
  • 必要な装備の購入・整備
  • 損害保険やレスキュー体制の整備

▶ 独立ガイドの準備チェックリスト【内部リンク】


4. 独立後に待っているリアルな課題

独立したら自由に見えるかもしれませんが、実際は多くの課題があります。

  • 集客(Webサイト・SNS・予約サイトの活用)
  • 安全管理と保険加入
  • オフシーズンの収入確保
  • 顧客リピート率を上げるための体験価値向上

特に集客は大きなハードルで、僕も最初はかなり苦労しました。
ブログやInstagramで情報発信を続けることで少しずつ予約が増えてきたので、Web集客は早めに始めることを強くおすすめします


5. ガイド業の魅力と大変さ

アウトドアガイドの魅力は何といっても「自然の中でお客さんと感動を共有できること」です。
初めてカヌーに乗る人の笑顔や、大物を釣り上げたときの歓声。そんな瞬間に立ち会えるのは、この仕事ならではです。

一方で、ガイド業は決して楽ではありません。

  • 安全管理への責任は重い
  • オフシーズンの収入が不安定
  • 体力仕事なのでケガのリスクもある

6.【最重要】収益がないと続けられない

さらにリアルな問題は収益面です。これが1番肝かもしれません。

アウトドアガイドは自由で自然の中で仕事して羨ましいと思うかもしれませんが、結局のところお金がないと生活できないですし、事業を続けていくことができません。

なので、自分がやりたいガイドの市場がどれくらいあって、フィールドにどれくらいの人が流れていて、ガイドにどれくらい頼る人がいるのか調べる必要がります。

調べるのはネットの情報だけではいけません。実際にフィールドで活動するガイドに話を聞くのが1番リアルな情報です。

私の場合であれば、ドリフトボートフィッシングがいちばんの収益源です。ドリフトボートツアーを始める前に先輩ガイドに話を聞いたところ、「断っているお客さんはたくさんいるよ。」とのこと。

つまり、需要は多く供給が少ない市場なわけです。

ドリフトボートガイドを始めたばかりの頃はお客さんは少ないですが、段々とお客さんの数は増えてきています。

じゃあドリフトボートガイドやりたい!と思ったそこのあなた、そんなに甘いものではないです。仕事は体力勝負です。さらに、川下りをする操船技術、川の水量、濁度、水温、どこで魚が釣れそうか、天塩川の流域100kmくらいを知る情報、下見などなど。簡単に始められるものではありません。

偉そうなこと言ってますが、実際は僕も先輩ガイドのところで多少経験を積んでから、独立しています。どうしてもやりたいのであればまずはツアーに参加してください。

独立する際は、自分の得意なことと、人が集まっている・人が近くに多くいるフィールド、市場で高単価かつお客さんが溢れている領域での組み合わせが、ガイドとして食っていくための方法なのではないかと思います。

ガイド仕事がなければバイトしてでも食って行かなきゃならないので、お金を稼ぐ意識は大切です。


6. まとめ

未経験からアウトドアガイドになるための最短ルートは、以下の3ステップです。

  1. まずはガイド会社に入って経験を積む
  2. ツアー運行・安全管理のための資格を取得する
  3. 独立に向けた準備を働きながら計画的に進める

僕は少しイレギュラーな道を歩みましたが、「自然の中で働きたい」という想いがあれば、誰でもガイドを目指すことができます。
一歩踏み出せば、北海道の大自然を舞台にした新しい人生が始まります。

人生は短いです。ガイドを目指したいのであればいますぐ動き出しましょう。

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