林業に転職するとなると失敗したくないですよね。今までの仕事を捨てるわけですから失敗したくないのは当然のこと。
失敗しないためには入念な事前調査が必要です。林業就労支援ナビというサイトがあり、林業への転職をサポートしてくれます。
今回は、林業に従事する私が、金銭面、体力面などの林業に携わる際の参考になるデータ、林業に転職し失敗した事例、転職に失敗しないための事前の対策について紹介していきます。
林業へ転職する際の参考データ
給与
林業事業体(森林組合、民間林業会社)などの給与体系は基本的に日給月給が多いです。
日給がおよそ8,000円〜13,000円程度です。
私の場合は試用期間は日給9,000円でした。試用期間終了後は日給11,000円程度です。
長く勤めれば、努力次第で給与は上がっていくと思います。林業に転職する前に転職候補先の林業事業体に問い合わせて確認しておくべきです。
年収
250万円〜700万円程度です。
これほど年収に幅があるのは、経験値や、会社によって給与体系が違う面があり、一概に全ての林業事業体が上記の年収を支払っているとは言えません。
転職する前に林業事業体にしっかり確認しておきましょう。生活がかかっているので聞いて当然のことだと思います。
ちなみに私は年収300万円程度でした。
休日
これも林業事業体によって様々ですが、基本的に祝日は休みで週休2日制です。
忙しくない時期は、土日とも休みのこともありますが、忙しくなってくると、毎週土曜日は出勤となることがあります。
全ての林業事業体が週休二日制をとっているわけではないので事前確認が必要です。
年齢
私が出会った林業従事者の年齢層は19歳〜70歳です。非常に幅が広い年齢の方が林業に従事しています。
林業に転職する際、年齢が気になるところだと思いますが、60歳でも若手と言われる林業界ですので、30〜40歳の場合は超若手です。
年齢は特に気にする必要はないです。
必要な体力
健康な体で、体を動かすことが好きな人であれば仕事はできます。中学校や高校で運動部の経験があれば余裕でできます。
しかし、体力に自信があった私でも初めの1〜3ヶ月は体がきつかったです。体重は入社した時より6kg落ちました。
3ヶ月くらいすると体が慣れてきて、疲れはしますが、次の日まで疲れていることは無くなりました。
夏の暑い時期を乗り越えられれば、林業従事者として問題ないでしょう。
林業に必要な資格・免許
普通自動車(MT)の免許があれば問題ありません。
林業事業体の所有車はマニュアル操作のものが多く、マニュアル車を運転できないと仕事にならない可能性があります。
もしオートマ限定の免許のみ所有している場合は、限定解除が必要になるかもしれません。
チェーンソーや刈払機、重機などを動かす免許や資格の取得は転職した後に事業体でとらせてもらえることがほとんどです。私も入社後にチェーンソーの資格などとらせてもらいました。
転職する前から林業専門の資格が必ず必要ということはありません。
主な仕事内容
林業の流れを見ていきましょう。畑に植えた野菜を何十年もかけて育てるようなイメージです。
地ごしらえ
木を植える前に、木を切った後の土地を整備し、潅木などを刈払い、木を植えられる環境に整えます。
植栽
木の苗(スギ、ヒノキ、カラマツなど)を等間隔に山に植えます。1日に200本〜300本植えます。
下刈り
植栽で植えた木の周りに雑草や雑木の赤ちゃんのような木の小さいものが生えてくるので、それを植栽した木を残すように刈払い機で刈り取ります。5年くらい毎年行う場合もあります。
除伐
スギ林やヒノキ林に生えてしまった直径3〜8㎝程度の雑木を刈払い機で全て刈り取る作業です。下刈りより木が大きくなった後に行う作業で、林を放置しておくと雑木がたくさん生えてしまい、造材するときの邪魔になるので全て除去します。
間伐
畑の野菜でも成長の悪いものは間引きしますよね。それと同じく、成長の悪い木や、勢いのある木の邪魔をしているような木をチェーンソーを使って間伐し、残す木の成長を手助けするための作業です。
造材・搬出
いよいよ収穫です。育った木を伐倒し、規定の長さに揃えて切り、重機を使って搬出します。搬出を終えた土地をまた地ごしらえをしていきます。
こういう周期で林業は回っています。場合によってはこの中にない作業もありますが一般的にはこんな感じです。
林業のメリット
自然の中で仕事ができる
林業は外でしか仕事をしません。毎日外にいて開放的な空間で仕事ができて最高です。
飯がうまい
体を使うとお腹が減ります。しっかり働いた後のご飯は格段に美味しく感じて最高です。
定時に確実に帰れる
太陽の出ている時間しか仕事ができないので、基本的に17時解散です。残業もほぼありません。最高です。
体重が落ちて筋肉質になる
仕事中、体を動かし続けるので、間違いなく痩せますし、筋肉がつきます。仕事をしながら体力づくりもできるので最高です。
日本中どこでも仕事ができる
日本は7割を森林に覆われているので日本中どこでも林業が行われています。もし就職した林業事業体をやめても林業のスキルがあれば日本中どこでも働けます。最高です。
林業のデメリット
労働環境が過酷
夏の暑い時は、30度近くある気温の中で作業しなくてはなりません。1日に4Lくらい水分を補給しないと倒れます。
ポカリの粉末を水で2倍に薄めて飲むのが1番飲みやすくて良い感じです。甘すぎず、口の中がねばねばしないのでおすすめです。
電波が通じない
山奥に入るとスマホの電波が通じません。昼休みにスマホを見ても、電波がないので、何も見れません。
私はスマホにキンドルを入れて、電子書籍を読むようにしています。
怪我をする可能性が高い
伐倒作業など、林業は危険な業務がたくさんあります。怪我をすることが多く、命を落としかねねい労働環境です。
危険度に見合った賃金が出ない
命の危険がある労働環境から見ると、日給10,000円というのは安すぎるのではないかと思います。
林業への転職を失敗した事例
イメージしたものと違った
映画「ウッジョブ」を見て林業に転職したという方に会ったことがありますが、その方は映画のような仕事内容ではなく、現実は違うとおっしゃっていました。
イメージと現実は違うものですので、林業に転職して失敗する前に仕事内容の下調べが必要です。
WOOD JODを無料で見る方法
余談ですがWOOD JODを無料で見る方法があります。
映画の配信を行っているU-NEXTでは31日間の無料トライアルキャンペーンを行っています。登録しても31日間は無料でWOOD JOBや他の映画など視聴可能です。この機会に無料で映画を見てみてはいかがでしょうか。
私もWOOD JOBは見たことはありますが、現場の林業とは流石に違います。
作業内容とか林業とはどんな世界なのかはイメージできると思うので一度見てるのは損ではないかと思います。
仕事内容が向いていなかった
チェーンソーの扱いや、刈り払い機の扱いなど、林業には初めての経験が多くあります。機械を扱う仕事ですので、向き不向きがあると思います。
林業に転職する前に、チェーンソー や刈り払い機を扱ってみる体験をしておく方がいいでしょう。
無料で林業体験できるイベントなどもあるので検索してみると結構出てきますよ。
人付き合いが嫌になった
林業従事者は職人気質の人が多いように感じます。「見て覚えろ」「そんなこともわからないのか」など言われます。
転職したばかりの時期は、素人ですし、わからなくて当然なので、そんな言葉はスルーしていればいいのですが、気にしてしまう人は毎日が辛くなってしまいます。
職人気質の業界であることは頭に入れておいたほうがいいです。
気象条件に左右される
春や秋など、天候の安定している時期であれば、外で仕事をしていて気持ちいいですが、梅雨や冬など雨や雪の中作業するのは厳しいです。
雨の日は手が冷たいですし、気温の低い冬場は休憩していると体が冷えてくるので休憩もしてられません。
体力の限界
林業へ転職の失敗として体力の限界が一番多いのではないでしょうか。
体力に自信のあった28歳だった私でも、初めの1〜3ヶ月の間は疲れが抜けず毎日体がだるかったです。
50〜60歳で林業を始めるのは体力的になかなか厳しいものがあるかもしれません。しかし、辛い時期を乗り越えられれば問題なく仕事はできると思います。
私の知り合いで60歳から林業に転職した人もいますが、継続して働いています。
林業へ転職して失敗しないためにできること
林業に転職して失敗しないためには、事前調査が必ず必要です。今ある仕事を勢いでやめてしまって、転職に失敗したでは人生が狂ってしまいます。
リスクを最小限にしてから林業へ転職しましょう。
林業就労支援ナビの活用
全国森林組合連合会が主催する林業就労支援ナビというサイトあります。
林業就労支援ナビで受けられる特典は・・・
- 転職の無料相談
- 5日間の研修(無料)
- 20日間の研修(宿泊費の助成あり)
など転職に向けた事前研修も受けられます。
5日間や20日間の研修は社会人ではまとまった休みもないので、まずは無料の1日相談からしてみましょう。
予定している転職先の会社に直接相談
林業の業界は慢性的な人材不足で、どこの林業事業体は求人をかけています。
あなたが転職を予定している林業事業体に直接問い合わせてみましょう。
給料や、仕事内容、休日の有無、福利厚生など事前に調べることができれば転職に失敗することは少なくなります。
森林ボランティアで体験
森林ボランティアなどと調べてみるとたくさん募集しています。
あなたのお住いの地域でも、森林ボランティアを募集している可能性があるので調べてみてはいかがでしょうか。
ボランティアを通して林業の仕事を学べる可能性があります。休日などを利用していってみましょう。
まとめ
林業への転職で失敗しないために一番重要なのは、下調べをすることです。
今の仕事を突然やめて林業に転職し、イメージと違ったといってやめてしまえば、人生路頭に迷います。
転職には勢いが必要な時もありますが、離職率の高い林業業界なので、林業への転職は慎重に行いましょう。
この記事があなたの林業への転職の手助けになれば幸いです。
最後まで読んでいただきありがとうございました。
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