子どもの書き順、そんなに厳しく直さなくていい理由

暮らしと子育て

お子さんが字を書くとき、書き順が違うと感じて、つい直したくなることはないでしょうか。

「書き順は正しく覚えさせないと」と、無意識に思い込んでいる方も多いはずです。

自分が子どもの頃、学校でそう教わってきたのだから、我が子にも同じように教えなければ、と考えるのは自然なことです。

でも、書き順は本来、法律のような絶対のルールではありません。

書き順は「絶対の決まり」ではなく「目安」

書き順は、その字を書きやすく・覚えやすくするために示された目安であり、必ず守らなければならない絶対的な規則ではないとされています。

多少順番が違っていても、字として正しく読めるなら、大きな問題にはなりません。

学校でも、入学後の学習を通じて、多くの子はいずれ標準的な書き順に近づいていきます。

なぜ目安があるかというと、決められた順番で書いたほうが、線がつながりやすく、結果的に整った形になりやすいからです。

つまり書き順は「きれいに・効率よく書くためのコツ」であって、破ったら失格になるようなルールではありません。

ひらがなであれば、なおさら神経質になる必要はありません。

漢字の場合は、書き順を意識しておいた方が、後で似た形の別の漢字を覚えるときに応用が利きやすい、という利点はあります。

とはいえ、それも「多少あった方が便利」という程度の話であって、今すぐ完璧に覚えなければならない理由にはなりません。

パソコンやスマホの時代でも、意味はある

普段の生活では、手で文字を書く機会自体が減ってきています。

だからこそ「今さら書き順にこだわる必要があるのか」と感じる方もいるかもしれません。

それでも、手で文字を書く力は、テストや作文、メモなど、まだまだ必要とされる場面が残っています。

書き順は、その「書く力」を無理なく身につけるための補助であって、目的そのものではありません。

補助である以上、完璧に守れているかどうかより、ストレスなく書き続けられているかどうかの方が大切です。

それより気にしたいのは、書く意欲を削らないこと

書き順を細かく指摘されることが続くと、子どもにとって「文字を書くのは楽しい」ことより「間違えると注意される」ことの方が印象に残ってしまうことがあります。

文字を書く本来の目的は、読み書きができ相手に伝えられることのはずです。

書き順の正しさは、その目的を助けるための手段の一つに過ぎません。

手段を守らせることに気を取られて、目的(読んだ相手が正しく読める)を見失ってしまっては、本末転倒。

他の子と比べて書き順が崩れているように見えても、それだけで焦る必要はありません。

書くスピードや筆圧、手先の器用さには個人差があり、書き順の乱れ方もその子なりのペースの範囲であることがほとんどです。

年齢によって、力の入れどころは変わる

未就学児であれば、書き順はほとんど気にしなくて大丈夫です。

この時期に大事なのは、文字を書くこと自体への抵抗感をなくすことで、順番の正しさではありません。

小学校に入り、授業で正式に書き順を習い始めたら、状況は少し変わります。

とはいえ、その役割は基本的に学校の授業が担ってくれます。

家庭では、授業で習ったことを頭ごなしに否定しない程度で十分で、家でまで厳しく矯正する必要はありません。

学校の先生から書き順を指摘されることがあっても、それは先生の役割として自然なことです。

家庭で二重に矯正しようとせず、「学校でも教わったね」くらいの軽い相槌で十分です。

家庭で今日からできる、3つの向き合い方

具体的に、家庭では次の3つを意識するだけで十分だと思います。

① 崩れていても、まずは読めるかどうかで判断する

大きく崩れておらず、字として読めているなら、その場で指摘する必要はありません。

指摘するかどうかを判断する基準を「書き順が合っているか」ではなく「読めるかどうか」に置き換えるだけで、口を出す場面はぐっと減ります。

② 直すときは「注意」ではなく「一緒に書いて見せる」

間違いをその場で指摘するのではなく、別の機会に、正しい順番で書く様子をさりげなく見せるだけにします。

「こうやって書くと書きやすいよ」くらいの軽さで十分で、否定形の言葉を使わないようにするのがコツです。

③ 矯正は学校に任せる部分を残す

家庭でまで完璧を求めず、「楽しく書けたこと」の方を毎回言葉にして認めます。

正式な指導は学校に任せる、と割り切ってしまうことで、親の負担も減ります。

この3つを意識するだけで、書き順への向き合い方はだいぶ気楽になるはずです。

自分も、テレビを見て初めて知った

これは、自分自身がテレビを見ていて初めて知ったことでした。

学校であれほど厳しく教えられた書き順に、実は絶対的な決まりがないと知り、拍子抜けしたのを覚えています。

それ以来、子どもが書き順を間違えていても、細かく指摘するのはやめました。

大事なのは、楽しく書き続けてもらうことだと思うようになったからです。

それまでは、間違いに気づくたびに「そこはこうだよ」と口を挟んでいたので、自分にとっても小さな変化でした。

指摘する回数が減っただけで、隣で字を書く時間そのものが穏やかになったように感じています。

書き順が気になったときは、まず「読める字が書けている」ことを喜んであげてください。

それくらいの距離感で、ちょうどいいはずです。

完璧な書き順よりも、字を書くこと自体を嫌いにならずにいてくれる方が、長い目で見ればずっと価値があります。

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