予定が天候や相手の都合など、自分でコントロールできないものに左右される。
そんな場面で、「最終的に決まってから連絡すればいい」と考えていないでしょうか。
実はこの考え方こそ、相手を不安にさせる一番の原因かもしれません。
仕事でも、家庭でも、天候や他人の都合が絡む予定である以上、こちらの判断だけでは決められない場面はいくらでもあります。
そのたびに「決まってから伝えよう」を選んでいると、相手を待たせる時間はどんどん長くなっていきます。
「決める」と「伝える」は、別のタイミングでいい
最終判断が固まっていなくても、今わかっている状況だけは先に伝えられます。
「まだ結論は出ていません」。
これ自体が、立派な情報です。
相手が本当に知りたいのは、完璧な結論より「今どういう状況で、いつ分かるのか」という見通しであることが多いから。
判断を急ぐ必要はありません。
でも、状況の共有を判断のタイミングまで遅らせる必要も、本当はないのです。
なぜ、つい黙ってしまうのか
頭ではわかっていても、実際には連絡を先延ばしにしてしまうことがあります。
理由の多くは、「中途半端な情報を伝えて、後で覆したくない」という気持ちです。
「まだ変わるかもしれないのに、今伝えたら二度手間になる」「言ったことをひっくり返したら、いい加減だと思われる」。
そう考えて、結論が固まるまで黙っていた方が安全だと感じてしまうのです。
几帳面な人ほど、この傾向は強くなりがちです。
でも、相手の立場に立ってみると、状況が見えないまま待たされる方がずっと不安なはずです。
「今のところこうです、変わったらまた連絡します」で十分で、後から状況が変わって訂正することは、いい加減さではなく誠実さとして伝わります。
伝え方はシンプルでいい
具体的には、次の2つを分けて考えるだけです。
- 今わかっていること: 「悪天候の予報が出ています」「進み具合はここまでです」
- いつ分かるか: 「当日の朝に最終判断します」「明日の午前中には結論が出ます」
この2つさえ伝われば、結論そのものが出ていなくても、相手は安心して待てます。
対面や電話であれば一言添えるだけで済みますし、メールやチャットであれば、この2行だけの短い連絡でも十分に意味があります。
大事なのは、丁寧な文章を練ることではなく、タイミングを逃さず送ることです。
そして、状況が変わったら、そのつど同じように短く更新するだけで構いません。
一度伝えた内容が変わっても構わない、というくらいの気軽さで始めた方が、結局は続けやすくなります。
決めることと、知らせること。
このふたつを一緒くたにしないことが、コツです。
自分も、これで手痛い教訓を得た
これは、自分自身が実際に痛感した教訓です。
ガイドの仕事で、天塩川でのカヌーツアーを、前日からの大雨による増水を理由に、当日の朝になって中止にしたことがありました。(このカヌーツアーはGAC・River Toursから予約できます)
前日の天気予報の時点で悪天候はわかっていたのに、「朝になれば変わるかもしれない」と連絡を先延ばしにし、道内から来る予定だったお客さんに、「もっと早く教えてほしかった」という趣旨のことを言われてしまいました。
判断を当日まで待つこと自体は、安全のために間違っていなかったはず。
間違っていたのは、判断を待つことと、連絡をしないことを、同じにしてしまったことでした。
それ以来、開催が天候しだいになりそうなツアーでは、前日の時点でわかっている状況を必ず一言伝えるようにしています。
結論は当日のままでも、「今の状況」を先に伝えるだけで、お客さんの受け止め方はまったく違うものになりました。
天候に限らず、思い当たる場面は多いはず
取引先からの返事待ち。
見積もりや発注の可否が固まらないまま、相手を待たせてしまうことがあります。
「まだ社内で検討中です」の一言があるだけで、相手は次の予定を組みやすくなります。
子どもの体調しだいで決まる予定。
朝まで熱が下がるか分からず、参加できるかどうか返事を先延ばしにしてしまう場面です。
「今のところ熱は下がってきています。当日の朝に最終判断します」と伝えるだけで、受け入れ側の準備もしやすくなります。
上司の承認待ちのプロジェクト。
自分の判断だけでは進められず、返事を待たせてしまうことがあります。
「まだ上の承認待ちです、今週中には返事します」と共有するだけで、相手は待つこと自体には納得してくれます。
どれも、「まだ決まっていないから連絡しない」を選びがちな場面です。
でも、決まっていないなりの状況を先に共有しておくだけで、相手の受け止め方は大きく変わります。
黙っていること自体が、悪い知らせに見える
連絡がないと、人はそこに悪い想像を重ねてしまいがちです。
「連絡がないのは、都合の悪いことが起きているからでは」「後回しにされているのでは」。
実際には天候待ち・社内確認待ちというだけの、ただの「保留」であっても、相手には見えません。
沈黙そのものが、相手にとっての情報になってしまうのです。
だからこそ、結論が出ていない段階でも、「今はまだ何も悪いことは起きていない、確認中です」と伝えることに意味があります。
保留の理由を一言添えるだけで、相手が抱く不安の多くは解消できます。
次に「まだ決まらない」場面が来たら
もし今、判断が固まらずに連絡を迷っている予定があるなら。
結論を待つのは、そのままでいい。
ただ、「今わかっていること」と「いつ分かるか」だけ、先に伝えてみてください。
一度伝えたあとに状況が変わったら、また同じように短く伝え直せばいいだけです。
それだけで、相手との関係は変わるはずです。


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